不動産売却相談室

不動産売却時の建物にかかる減価償却とは?

不動産売却時の建物にかかる減価償却とは?

不動産売却時の建物にかかる減価償却とは?


不動産売却を行う際、売却により得られた利益に対し、税金が課せられます。
このとき、税金の計算に「減価償却」が関係することをご存じでしょうか。

「減価償却って何?」「どういったことに関係するものなの?」
中には、減価償却のことをあまり知らないという人もいるはずです。

そこで、不動産売却に関わる減価償却の意味、そして計算方法について説明いたします。
不動産売却を行う人に必ず関わってくる項目です。
確定申告で間違った費用を申告しないためにも、ぜひ参考にしてみてください。


(1)そもそも減価償却とは?

減価償却とは、時間の経過によって価値が減少する資産に対して、取得費用と耐用年数をもとに、年間の経費を分割する会計処理のことです。
例えば、不動産売却を行う際には「建物」のみが減価償却の対象にあたります。

また、減価償却を行う際には、売却する不動産の購入費用、そして国が定める法定耐用年数を用いて経費を分割します。
ちなみに、法定耐用年数は次のように定められています。

【住宅用建物の場合】
・木造、合板樹脂造:33年
・木骨モルタル造:30年
・鉄骨鉄筋コンクリート造又は鉄筋コンクリート造:70年
・れんが造、石造、ブロック造のもの:57年
・金属造のもの:28~51年

上記の構造は、建築確認申請書や登記簿謄本などから確認できます。
建物建築時にもらった資料などを参考に、構造を調べてみてください。


(2)減価償却は確定申告のどこに関わるものなの?

減価償却が関わるのは、不動産売却の経費として計上する「取得費用」の項目です。
まず、不動産売却には譲渡所得税(所得税・住民税・復興特別所得税(※))というものがかかります。

・譲渡所得税=譲渡所得×税率

ただし、不動産売却で得た譲渡所得は、まるごと計上するのではなく、売却の際にかかった経費を差し引く必要があるのです。
このとき関係するのが、本メルマガで紹介する取得費用となります。

・譲渡所得=不動産売却で得た代金-譲渡費用-「取得費用」

ちなみに、取得費用は次のような計算で計上します。

・取得費用=土地の取得費+(建物の取得費-減価償却費用)

以上からも分かるように、減価償却は確定申告時の税金を増減させる重要なポイントです。
時間の経過とともに価値の減る建物を、正しい金額で計上する。
そのために減価償却を行う必要があるのです。

※令和19年までは、復興特別所得税として各年分の基準所得税額の2.1パーセントを所得税と併せて申告・納付することになります。


(3)減価償却の計算方法

減価償却では主に、以下に示す2種類の計算方法を用います。

・定額法
・定率法

定額法は、減価償却資産(建物)の金額に一定の割合をかけて減価償却費用を求める計算です。
一方定率法は未償却残高(取得価額-前年度までの償却費の総額)に償却率をかけて減価償却費用を求めます。

上記のうち、非事業用不動産(住宅)の場合は、定額法を用いて計算を行うので、計算方法はとてもシンプルです。
参考として、次項に定額法を用いた計算例をご紹介します。


(4)定額法による減価償却の計算方法

定額法を用いて減価償却費用を計算する際には、以下の式を用います。

【住宅用建物の場合】
・減価償却費用=建物の取得価額×90%×償却率×経過年数

上記のうち、償却率は建物の構造によって値がことなります。
参考として「2,000万円」で購入した「木造」建物を「10年」経過したのちに売却する際の減価償却費用を計算してみましょう。

上記の計算式に当てはめると…
2,000万円×90%×0.031(木造の場合)×10年=558万円

つまり、建物分の取得費は2,000万円-558万円となり、1,442万円を建物の取得費として計上できるというイメージです。


以上、不動産売却時の建物にかかる減価償却について紹介いたしました。
不動産売却で得た利益は、確定申告によって税金の申告が必要です。

しかし、中には詳しい計算が分からないまま確定申告の時期を迎えて、困ってしまう人も多い状況です。
中でも減価償却は、計算方法が少しややこしいため敬遠されがちなポイント。

確定申告の時期に困ってしまわないためにも、ぜひ本メルマガの情報を参考に、確定申告の計算に活用していただけると幸いです。